TIME
WEAVES.
時間が織りなす、1本のジーンズ。
背景を知ると、見え方が変わる。
「1本のジーンズが 完成するまでに、
約1万リットルの水が使われる」
約1万リットルとは、一般的な家庭のお風呂約50杯分に相当します。原綿の栽培から染色・加工にいたるまで、ジーンズは想像以上に多くの水資源を必要としています。さらに、世界では年間およそ45億本のジーンズが生産されています。その過程で使われる農薬や化学薬品が、排水として川や地下水に影響を与えるケースも少なくありません。
ワードローブに欠かせないジーンズ。皆さんはどのように作られているかご存知ですか。今回は、8yearsのデニム製品を手がける工場を見学させて頂きました。環境問題への取り組みと、継承される職人技。1本のジーンズが生まれる現場を、ぜひ一緒にご覧ください。
SECTION(01)
ジーンズは
どのように作られる?
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STEP01

糸づくりと染色
綿を紡いで糸にし、インディゴ染料に何度も浸して青く染めていきます。
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STEP02

生地を織る
青く染めた「タテ糸」と、染めていない白い「ヨコ糸」を交差させて織ります。 この「綾織」によって表面は青くて裏面は白い、丈夫なデニム生地になります。
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STEP03

裁断と縫製
完成したデニム生地を型紙に合わせて約20個ほどのパーツに裁断し、 ミシンで縫い合わせます。厚みのあるデニム特有の縫製技術と、経年変化を見越した設計が特徴です。
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STEP04

洗い・加工
最後にデニム特有の風合いを出すための加工を施します。 ストーンウォッシュやダメージ加工など、デザインに合わせてさまざまな仕上げが施されます。
このように、1本のジーンズは多くの工程を経て生まれます。なかでも水や薬品を特に多く使うのが「洗い・加工」の工程。その現場では、どんな工夫や取り組みが行われているのでしょうか。
8yearsのデニム製品を手がけるSAABさんの工場を見てみましょう!


デニム残生地から生まれた「エイトイヤーゾウ」。
8yearsデザイナーお手製のお友達。
SECTION(02)
工場見学レポート
SAAB/サーブ

8yearsのデニム製品を手がけているのは、1987年創業のデニムの縫製・洗い・加工を行う工場であるSAABさん。世界的トップブランドからも指名を受ける、デニム加工のプロフェッショナルです。職人の手仕事と最先端のレーザー技術を融合し、高品質な「Made in Japan」のジーンズを生み出しています。
Factory Tour Report
May 2026
Manufacturing Process

大迫力のストーンウォッシュ
01
まず目に入ったのは、大型ドラムが並ぶストーンウォッシュの工程。ジーンズと軽石を一緒に入れて洗うことで、自然な色落ちやアタリを生み出します。細かな凹凸部分までリアルな風合いを表現できる、大切な工程です。

繊細な濃淡表現を可能にする
レーザー加工
02
続いて、レーザー加工。事前に設計された色落ちデータをもとに、ヒゲやアタリなど細かな濃淡をレーザーで精密に表現します。かつてはサンドペーパーで擦ったり薬剤を吹き付けたりと手作業中心で負担が大きい工程でしたが、レーザーの導入によって健康リスクが大幅に軽減されているそうです。

緻密なレシピを元に仕上げる、
シェービング加工
03
そして印象的だったのが、シェービング加工の工程。レーザーでできたくっきりとした境目を自然に馴染ませるため、専用の電動ヤスリを使って職人が1本ずつ手で微調整していきます。削る回数や強さで表情が大きく変わるため、緻密な加工レシピをもとに仕上げているのだとか。まさに職人技です。

職人技が光る、色抜き加工
04
最後に案内していただいたのが、塩素による色抜きの工程です。立体感を出すためのこの作業は、10年以上の経験を持つベテラン職人さんだけが担当する、非常に繊細な工程です。
SECTION(03)
サステナブルな
取り組み
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SAAB's sustainable initiatives
01
オゾンガスを使用した色抜き
ヴィンテージのような自然な色落ちを生み出す色抜き加工。従来は薬剤と大量の水を必要としてきましたが、SAABさんが導入しているのは、水の代わりにオゾンガスを使用する技術です。この工程だけで水の使用量をおよそ半分に抑えることができるそうです。
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SAAB's sustainable initiatives
02
GREEN STONE®
ストーンウォッシュに使う軽石は、使うたびに削れ、最終的には汚泥として廃棄されてしまいます。8yearsでは、その軽石の代わりにペースト状の「グリーンストーン」を採用。廃棄物を出さず、従来と変わらない自然な風合いを実現できる素材です。
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SAAB's sustainable initiatives
03
排水処理システム
デニム加工に使用した水はインディゴで青く染まった状態になるため、そのまま流せないのはもちろん、処理方法そのものにも配慮が必要です。SAABさんでは工場内に排水処理システムを完備し、使用した水をきれいな状態に戻してから排出。さらに、これまで産業廃棄物として処分されてきたインディゴの汚泥を新たな資源として活用するアップサイクルにも取り組んでいます。
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SAAB's sustainable initiatives
04
集塵機の導入
サステナブルな取り組みは、環境面だけにとどまりません。デニム生地の表面を削るシェービング加工では、粉塵を吸引する集塵機を導入しています。以前は粉塵が舞う中での作業だったため空調の使用も難しかったそうですが、現在では大きく改善。働く人の環境を守ることも、SAABさんが大切にしているものづくりの一部です。
SECTION(04)
現場から見えた
背景
今回の見学で特に印象的だったのは、デニム産業が抱える課題に対し、現場で真摯に向き合いながら改善を積み重ねている姿でした。水の使用量を抑える工夫や資源循環の仕組み、作業環境への配慮。そうした取り組みを特別なこととしてではなく、ものづくりの一部として当たり前に実践している姿に、作り手としての責任感を感じました。加えて、最新技術と職人の手仕事が切り離されることなく共存している点も印象的でした。効率化や環境負荷の低減が進む一方で、最終的な仕上がりを左右する繊細な工程には、今もなお人の手と長年の経験が介在しています。人と環境への配慮、最新技術、そして受け継がれてきた職人の技。そのすべてが重なり合いながら、ジーンズはつくられています。その背景を知った今、1本のジーンズの見え方は、きっと少し変わるはず。


No.01
Laser Panel Denim Pants

レーザー加工による濃淡で、縦のラインを描いたデニムパンツ。 切り替えのように見える表情は、生地を重ねたり縫い合わせたりせず、加工のみで立体感を生み出しています。 縦方向に視線が流れることで、脚のラインがすっきりと見える効果も。
pice:¥29,000(taxin)
color:blue/black
No.02
Laser Panel Denim Skirt

レーザー加工による濃淡で、縦のラインを描いたデニムスカート。 切り替えのように見える表情は、生地を重ねたり縫い合わせたりせず、加工のみで立体感を生み出しています。 Iラインをベースにしたすっきりとしたシルエットに、縦方向のコントラストが加わることで、甘くならず、落ち着いた印象に。
pice:¥29,000(taxin)
color:blue/black





